2次補正予算案を閣議決定/二重ローン対策など  PDF

2次補正予算案を閣議決定/二重ローン対策など

 政府は7月5日、東日本大震災の復旧対策や被災者支援などに充てる2011年度の第2次補正予算案を閣議決定した。7月半ばに国会に提出する予定。予算総額は1兆9988億円。全額を10年度決算剰余金で工面し、追加国債は発行しない。

 厚生労働省の予算案としては▽二重債務問題への対応▽東京電力福島第一原子力発電所の緊急作業従事者の被ばく管理データベースの構築▽児童福祉施設等の園庭の放射線量低減策の実施─の3項目が盛り込まれた。厚労省予算総額は45億円。

 二重債務問題には40億円を計上する(本紙既報)。震災前の借入金に加えて、被災後にも施設再建費用がかさむ、いわゆる“二重ローン”対策の一環として行う。被災した医療施設や社会福祉施設などの再建を支援するため、福祉医療機構が行う医療・福祉貸し付けの財務基盤を強化し、医療機関への貸し付け条件を緩和する。震災前からの旧債務について償還期間を最大5年以内で延長するほか、旧債務の金利についても状況に応じて積極的に条件変更する方針。

 災害復旧に活用するための新規貸し付け条件もさらに緩和する。病院の償還期間は現在は30年だが、最大39年まで延長させる。返済開始までの据置期間は、現在の2年6カ月を5年に延ばす。無担保貸し付けの限度額も、現在の1000万円から3000万円に上限を引き上げる。

 原子力発電所作業員の被ばく管理データベースには8900万円の予算を計上する。厚労省は6月27日に作業員の健康管理問題を考える「東電福島第一原発作業員の長期健康管理に関する検討会」を立ち上げており、この議論を踏まえながら、労働者がどのような作業に従事したか、被ばく線量はどの程度かなどのチェック項目を決めていく。データベースの作成は外部委託する方針で、予算はデータベースの構築費用に充てる。

 保育所などの園庭から放射線が毎時1マイクロシーベルト以上観測される場合に行う表土除去処理事業についても国が財政支援することにした。予算額は4億6000万円。対象となるのは、全国の保育所や乳児院、情緒障害児短期治療施設、児童厚生施設など。放射線の検出量が高いほど、国の財政支援補助率も大きくなる。国の補助率は3分の1から10分の9まで。(7/6MEDIFAXより)

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