2次救急機関の実態把握を本格化/08年度から厚労省

2次救急機関の実態把握を本格化/08年度から厚労省

 厚生労働省は2008年度、2次救急医療機関の体制や実績などに関する調査を本格化させる。これまで、主に病院群輪番制病院と共同利用型病院としていた「救急医療対策事業の現況調」の対象を、都道府県医療計画で2次機関と位置付けられた施設に整理するほか、医師数のみに限られていた体制に関する調査も充実させる。

 厚労省は救急に関する診療実績や体制を評価し、一定の要件を満たす医療機関を「地域救急拠点病院(仮称)」として整備する構想の検討に入っている。「現況調」を充実させることで、具体的な評価の在り方を検討する上での基礎資料にもしたい考えだ。

 「現況調」は国が補助金を交付していた輪番制病院などの状況を把握するために1978年ごろに始まった。しかし、三位一体改革により、05年からは都道府県の裁量で病院群輪番制病院運営事業の実施が可能となったため、輪番制病院の定義も自治体によって異なっている。また、もともと補助金交付の対象病院に対する調査だったため、全2次機関を網羅していない。

 08年度以降は、補助対象かどうかにかかわらず、すべての2次機関を対象とする。体制に関する調査も、医師の休日・夜間の病棟業務との兼務状況や、宿日直制か交代制かなどの勤務状況、臨床検査技師・診療放射線技師の有無なども盛り込む。2次機関の状況をより詳細に分析し、今後の2次機関整備に生かす。

 07年度の「現況調」を分析すると、都道府県によって年間最大8000台近い救急車を受け入れている施設から、ほとんど受け入れていない施設まで幅が広いことが分かった。受け入れた患者についても外来が8割を占め、本来受け入れるべき入院を必要とする患者が少ないことも明らかになった。こうした点を踏まえ、厚労省は「地域救急拠点病院」の要件のイメージとして、救急車の年間受け入れ台数や、救急入院を優先する病床の空床を一定数確保することなどを挙げている。(7/1MEDIFAXより)

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