2次医療圏、人口20万人が目安/厚労省  PDF

2次医療圏、人口20万人が目安/厚労省

 厚生労働省は10月6日、人口20万人程度を2次医療圏設定の目安とする案を「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)に提示した。2008年4月時点で2次医療圏は全国に348医療圏(10年4月現在は349医療圏)あり、最大格差は人口で103.6倍、面積では99.8倍となっている。人口が少ない医療圏ほど患者の流出が目立つなどの傾向があることから、厚労省は13年度からの新しい医療計画で、患者流出入の動向に注意を払って適正な医療圏を設定するよう都道府県に働き掛ける考えだ。

 厚労省医政局指導課は検討会に、2次医療圏ごとの患者の流出入割合について08年患者調査を用いて人口規模別、面積規模別に分析した結果を示した。入院患者が圏外へ流出する割合が20%を超えた110の医療圏では、これ以外の医療圏に比べて平均人口が少ない特徴があった。人口20万人以下の医療圏で、流出率が流入率を上回る傾向も顕著だった。

 指導課は、地域医療連携をより実効性の高いものとする観点から医療計画の作成指針(医政局長通知)を見直し、医療圏の設定について20万人の人口規模を目安として盛り込む考えだ。

 中沢明紀委員(神奈川県保健福祉局保健医療部長)は「都道府県による医療圏の設定を縛るような形になっては地域の特性が出なくなる可能性がある」と指摘。末永裕之委員(日本病院会副会長)も「2次医療圏を厳密に決める必要はあるのか。医療圏を越えて患者が動いているのが現実。各自治体にお任せした方がよいのでは」と述べた。委員の指摘に対し、医政局指導課医師確保等地域医療対策室の石川直子室長は「さまざまなデータが出ているところ。まずは各自治体で現状を把握していただくことが重要」とした。(10/7MEDIFAXより)

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