19府県、国保を広域運営へ/財政安定化が目的
自営業や無職の人たちが加入する市町村の国民健康保険(国保)で、47都道府県のうち19府県が、各府県内の全市町村による共同運営を進める「広域化支援方針」を策定する予定であることが6月19日、厚生労働省のまとめで分かった。
高齢化が進む小規模町村を中心に、医療費増や現役世代の減少で国保財政は悪化している。広域化支援方針は、都道府県単位の運営にして財政の安定化を図ろうと、厚労省が2010年度から導入した仕組み。
都道府県単位での運営になれば、「同じ県内でも市町村間で保険料に大きな格差がある」という現在の不公平な状態は改善に向かう。ただ、市町村によっては将来、保険料の増減が生じるため、加入者への丁寧な説明が必要になりそうだ。
方針策定の意向は、5月下旬から6月上旬にかけて厚労省が都道府県にアンケートした。策定は義務ではないが、「策定しない」との回答はゼロ。残りの28都道府県は「検討中」と答えた。策定時期については、厚労省が「12月までに」と求めており、「9月」とした鳥取以外の18府県は12月を予定している。
方針に定める項目は?財政安定化策?保険料算定方式の標準化?保険料の収納対策や医療費適正化の共同実施─などだが、どこまで盛り込むかは都道府県の裁量。
厚労省は、都道府県単位で運営している後期高齢者医療制度を13年に廃止後、65歳以上は原則、国保加入とする方針。国保も都道府県単位にすることで移行をスムーズにしたいとの狙いもある。【共同】(6/22MEDIFAXより)