13歳以上へも第2期接種の機会提供/日本脳炎小委  PDF

13歳以上へも第2期接種の機会提供/日本脳炎小委

 日本脳炎予防接種の積極的勧奨が差し控えられたことで接種機会を逃した人への対応を議論してきた厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会「日本脳炎に関する小委員会」(委員長=加藤達夫・国立成育医療研究センター総長)は2月21日、第4次中間報告を取りまとめた。現在、接種対象年齢外となっている13歳以上20歳未満についても、第2期接種の希望があった場合は定期接種の機会を提供すべきとの考えを盛り込んだ。

 2011年度に10−15歳となる児童・生徒は第2期接種の積極的勧奨がされていないほか、5−9歳では第1期接種が遅れていることから、第2期接種の機会を逃している状況がある。小委員会では、接種対象年齢の12歳を超えた人にも接種機会を提供すべきとの意見が前回の議論で大勢だったことを踏まえ、13歳以上20歳未満の人に対しても、希望があった場合に第2期接種の機会を提供すべきとした。今後は予防接種法施行令の改正などを経て、11年度の早い段階で実施される見通しだ。

 今後の第2期接種の積極的勧奨の再開については、第1期接種の積極的勧奨が完了する13−14年度ごろまでに▽ワクチンの確保状況▽免疫の保有状況▽日本脳炎の発生状況―などを総合的に検討し判断するべきとした。

●化血研「エンセバック」、定期接種に使用可
 部会では、緒方洋一参考人(化学及血清療法研究所第一製造部長)が化血研の乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン「エンセバック皮下注用」が1月に薬事承認を取得したことを報告した。緒方参考人によると、臨床試験の全観察期間中に発現率5%以上の副反応は▽注射部位紅斑▽注射部位腫脹▽発疹▽咳▽鼻水▽発熱―などで、いずれも重篤な副反応は見られなかった。

 エンセバックは今後、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンとして定期接種に使用できるワクチンとなるが、使用症例数が既存ワクチンと比較して少ないことなどから、接種の際に副反応に留意するよう、厚労省は通知を発出するなどして注意喚起したいとしている。(2/22MEDIFAXより)

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