12月上旬までに制度改正へ提言/民主・介護保険改革WTが始動
2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、民主党の「介護保険改革ワーキングチーム(WT)」(主査=藤田一枝衆院議員)は10月27日、初会合を開き、介護保険の制度改正の議論を始めた。政府は介護保険法の改正案を11年の通常国会に提出する。WTは12月上旬までに制度改正の提言をまとめ、党政策調査会などを通じて政府が策定する改正案に反映させる予定だ。
介護保険の制度改正をめぐっては、消費税の増税が想定されない中で、右肩上がりで増える保険料をいかに低く抑えるかが大きな課題だ。厚生労働省がこの日のWTに示した資料によると、現在、65歳以上の保険料は全国平均で4160円だが、自然増やサービスの拡充などで12年度以降は5000円を超える見込みだ。厚労省はサービスの給付範囲や利用者負担、公費負担の在り方などを論点に挙げている。
●処遇改善交付金「介護報酬なら2%相当」
介護職員の賃金に月額1万5000円を上乗せする介護職員処遇改善交付金が11年度末で終了した後の財源の在り方も課題となっている。交付金の財源は09年度補正予算で計上した基金で賄っており、12年度以降の財源を保険料で賄った場合はさらなる保険料の上昇を招く。厚労省老健局の宮島俊彦局長は「基金を続けると、単年度で1700億円から1800億円の巨額の費用が掛かる。介護報酬のアップでは2%相当が最低要る」と述べ、財源の手当の方法についてWTでの議論を求めた。(10/28MEDIFAXより)