12年3月から突合点検・縦覧点検開始/支払基金
社会保険診療報酬支払基金は12月9日、2012年3月審査分から支払基金の原審査段階での診療レセプトと調剤レセプトとの「突合点検」、複数月の「縦覧点検」を開始すると発表した。当初は11年1月に取りまとめた社会保険診療報酬支払基金サービス向上計画に基づいて4月からの開始を予定していたが、東日本大震災発生に伴って開始時期を延期していた。支払基金では突合点検の実施方法についての関係者間協議が調ったとして、12年3月審査分(同2月診療分)から突合点検・縦覧点検を実施することを決めた。
突合点検は処方せんを発行した病院・診療所からの医科・歯科レセプトと、調剤を行った薬局からの調剤レセプトとを患者単位で照合する審査で、縦覧点検は同一医療機関が同一患者について月単位で提出したレセプトを複数月にわたって照合する審査となる。
紙レセプトの場合、毎月医療機関から提出されたレセプトは支払基金で審査し、保険者に送付するため、一定の条件で抽出したり、データを蓄積したりすることが困難だった。このため支払基金での原審査は単月点検のみとなり、突合点検・縦覧点検は保険者の申し出や再審査請求に委ねられてきた。一方、電子レセプトでは抽出・データ蓄積が容易なため、支払基金での原審査の段階で単月点検だけでなく、突合点検・縦覧点検が可能となった。
現在の突合点検は保険者が医療機関のレセプト点数に関係なく、調剤レセプトが1500点を超えた場合に実施しているが、厚労省によると3月審査分からは審査支払機関が調剤レセプト点数に関係なく突合点検を行う予定だ。
震災被災地での実施については当面、6カ月間猶予する方針(12月20日発表)。
1月のサービス向上計画で支払基金は、突合点検・縦覧点検の査定件数・査定点数について点検力が高い保険者並み(査定実績で上位3割)を目指すとし、15年度の突合点検では原審査請求1万件当たり査定100件程度、同1万点当たり査定12点程度とする数値目標を立てた。同様に縦覧点検についても同1万件当たり査定35件程度、同1万点当たり査定5点程度とする目標を示した。(12/12MEDIFAXより)