11年度から感染検査/首相、白血病ウイルスで
菅直人首相は9月8日、主に母乳を通じて感染する成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)対策として、妊婦に対する感染検査を2011年度から実施する考えを表明した。官邸で面会した患者団体に対し「(11年度)予算編成で希望をかなえられるようにしたい」と述べた。
また、治療方法の研究や医療機関への情報提供の在り方などを議論するため、小川勝也首相補佐官をリーダーとする特命チームを設置する方針も明らかにした。
これに関連し、仙谷由人官房長官は記者会見で「11年度予算の前に何らかの取り組みができるかどうか精力的に検討したい」と述べ、一部対策は前倒しで実施する考えを強調。特命チームには患者代表や与野党議員の参加も求めるとした。
HTLV1は白血球の一種であるリンパ球に感染するウイルスで、国内に108万人の感染者がいると推定される。白血病や関連疾患の脊髄症を発症するが、根本的な治療法は確立していない。
【共同】(9/10MEDIFAXより)