11年の救急出動・搬送人員ともに過去最高/消防庁  PDF

11年の救急出動・搬送人員ともに過去最高/消防庁

 総務省消防庁が11月30日に公表した「2012年版救
急・救助の現況」によると、11年中の救急出動件数は前年から24万3973件増の570万7655件となり、過去最高となった。搬送人員も前年から20万3192人増の518万2729人で、こちらも過去最高だった。同庁救急企画室の日野原友佳子救急専門官は、過去最高となった背景について「高齢化の進展とそれに伴う独居世帯の増加が考えられる」との見方を示した。

 救急隊員の数は前年から197人増えて5万9847人になた。そのうち救急救命士は前年から863人増の2万2930人だった。救急救命士の増加に伴い、自動体外式除細動器による除細動や静脈路確保のための輸液、アドレナリン投与などの救急救命処置の件数も増え、前年から8720件増の11万4860件となった。

●搬送時間、過去最長の38分に
 119番通報を受けてから病院に収容するまで搬送にかかる所要時間は、全国平均で前年より42秒長くなり、過去最長の38分6秒になった。日野原救急専門官はその要因について、救急出動件数が増えたことで遠方の救急隊が出動するケースが多くなったことを挙げたほか、「高齢者は複数の病気を持っているため、搬送先の病院選びが難しいという声も聞く」とコメントした。

 時間が短縮された地域ではICT(情報通信技術)を活用する例も見られることから、日野原救急専門官は「ICTの活用によって搬送時間の短縮が期待されるのではないか」と話している。(12/4MEDIFAXより)

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