11年の医療事故報告、2799件で過去最多/医療機能評価機構
日本医療機能評価機構によると2011年の医療事故報告数は、報告義務がある医療機関と任意参加の医療機関を合わせて2799件となり、過去最多になった。報告数は前年に比べて96件増えた。同機構が8月29日、「医療事故情報収集等事業2011年年報」で公表した。同機構医療事故防止事業部の後信部長は「医療事故を報告することが次第に定着してきている。医療事故は減った方がよいが、まずは報告することが必要」とコメントした。
報告義務がある医療機関を見ると、273施設中208施設から報告があった。報告数は2483件で、前年から301件増加した。2483件の事故概要の内訳を見ると、「療養上の世話」が1046件で最も多く、「治療・処置」の509件、「ドレーン・チューブ」の269件、「薬剤」の227件が続いた。事故の程度の内訳は、「障害残存の可能性がある(残る可能性が低い)」が674件で最多だったほか、「障害なし」が670件、「障害残存の可能性なし」が657件、「障害残存の可能性がある(残る可能性が高い)」が256件、「死亡」が140件だった。
●任意医療機関の報告数は減少
任意参加の医療機関を見ると、対象施設数は609施設となり、10年から31施設増加した。ただ、医療事故の報告数は316件で、前年から205件減少。
●ヒヤリ・ハットも過去最多
ヒヤリ・ハット事例収集・分析・提供事業では、参加する1051施設のうち、456施設から62万7170件の報告があった。前年に比べて報告数は6万7146件増加し、こちらも過去最多を更新した。内訳は「薬剤」が20万8016件で最も多く、「療養上の世話」の14万6188件、「ドレーン・チューブ」の10万1629件と続いた。(8/30MEDIFAXより)