10年度赤字額、過去最大6605億円に/健保連、予算早期集計  PDF

10年度赤字額、過去最大6605億円に/健保連、予算早期集計

 健保組合の2010年度の赤字額が過去最大の6605億円となる見通しであることが4月7日、健保連がまとめた10年度健保組合予算早期集計で明らかになった。協会けんぽへの支援策として現在、国会で審議されている国民健康保険法等改正案が可決されれば、さらに約330億円の赤字が見込まれるという。経済状況の悪化と「肩代わり」が健保組合の財政をさらに圧迫する可能性もある。

●後期高齢者支援金など横ばい

 1462組合中、回答のあった1313組合(回答率89.8%)の予算状況を全組合分に引き伸ばして試算した。納付金などの支出は総額で2兆6224億円で、2009年度予算より5.28%減少した。後期高齢者支援金は1兆2712億円で09年度予算に比べて0.39%の減、前期高齢者納付金は1兆1174億円で0.01%の増とほぼ横ばいとなった。ただ、保険料収入に対する納付金などの割合は43.6%と依然として高く、4月7日に会見した対馬忠明専務理事は「減少の主な要因は08年度精算分によるもので、実質的な改善とは言えない」と説明し、依然として厳しい財政状況が続いていると強調した。

 収入は保険料率の平均が0.187ポイント上昇の7.616%となったが、平均標準報酬や賞与の減少、組合員の減少などで09年度予算に比べて829億円減(マイナス1.36%)の6兆145億円となった。

 保険料率を引き上げた組合は352組合。平均標準報酬月額の平均は35万8696円(09年度予算比1.98%の減)、被保険者1人当たり平均標準賞与額は95万9270円(同6.51%の減)となった。また、組合数は23組合減少し、4月1日に4組合が解散した。

 経常収支が赤字となる組合は1295組合(88.58%)となる見通しとなった。(4/8MEDIFAXより)

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