１０年度医療費の動向、過去最高の３６.６兆円

　厚生労働省は８月２６日、２０１０年度の「医療費の動向」を公表した。医療費は過去最高の３６.６兆円で、前年度から約１.４兆円増加した。医療費の増加は８年連続。医療費の伸び率は３.９％増、稼働日数補正後の伸び率は３.６％増だった。診療報酬改定の影響を除いた場合の伸び率は３％台で、おおむね従来と同水準となる。

　受診延日数総計（延患者数）の伸び率は０.１％増で、入院０.７％増、入院外０.０％減、歯科０.１％減だった。１日当たり医療費の伸び率は３.８％増。受診延日数が増加したのは６年ぶり。１日当たり医療費は、診療報酬改定の影響（プラス０.１９％）を除いても３％台の増加を示しており、医療費総額の増加につながっている。

　医療費を診療種別に見た場合、入院は１４.９兆円で全体の４１％を占めた。入院外・調剤は１９.０兆円で全体の５２％、歯科は２.６兆円で全体の７％となった。診療種別の伸び率は、入院６.２％増、入院外・調剤２.４％増、歯科１.８％増。

　医療費の動向調査は、診療報酬明細書などを厚労省が取りまとめた。東日本大震災で自衛隊医療班や国内外の医療支援チームが行った医療の診療報酬請求は今回の統計には含まれていない。レセプトコンピューターなどが震災で破損し、概算請求で支払った額は、３月分だけで約５０億円だった。岩手、宮城、福島県の３県の医療費総額は、前年度から約２８０億円（約２０％）減少している。（８/２９MEDIFAXより）