10万人遺伝子調査に5億円/ライフイノベーション重点分野  PDF

10万人遺伝子調査に5億円/ライフイノベーション重点分野

 政府の総合科学技術会議(議長=菅直人首相)は9月2日、新成長戦略で成長分野に位置付けられた医療・介護(ライフ・イノベーション)と環境(グリーン・イノベーション)の重点8分野に関連した関係省庁の2011年度予算概算要求を示した。施策数は新規の18施策を含む合計78施策で、概算要求額は特別枠を合わせて1121億7200万円だった。このうち、ライフ・イノベーションの重点分野「ゲノムコホート研究と医療情報の統合による予防法の開発」は文部科学省の科学技術振興調整費として5億円を要求する。

 同会議は10年度、概算要求前に重点8分野を「アクション・プラン」として示し、各省庁間の事業の重複排除や予算の効率化を図った。ゲノムコホート研究は健常人10万人規模で遺伝子を調べるほか、10年以上かけて生活習慣や生活環境を追跡調査する取り組み。認知症や脳卒中などにつながる遺伝子レベルの疾患リスクや生活・環境要因の解明を通じ、予防医学につなげる計画。

 このほか、別の重点分野の膵臓がん、肺がん、肝臓がんに関する「早期診断・治療を可能とする技術、医薬品、機器の開発」の関連は14施策で、合わせて193億7200万円だった。

 同会議は今後、優先度判定で各施策の内容を4段階で評価する。施策の最終的な内容については各省庁によって決められるため、同会議が示した趣旨とずれた方針がある可能性は否定できないという。津村啓介内閣府大臣政務官は「齟齬(そご)があれば(判定で下位の)B、Cを付けることはある」としている。(9/3MEDIFAXより)

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