1箱1000円で中高生の喫煙防止に効果/日大・大井田教授ら
日本大医学部の大井田隆教授と鳥取大医学部の尾崎米厚准教授は10月8日、中高生が喫煙を始めないたばこ1箱の価格は1000円以上とする調査結果を発表した。
大井田教授を研究代表者とする厚生労働省の「未成年者の喫煙・飲酒状況に関する実態調査研究」班は2006年12月から08年2月にかけて、全国の中学、高校を対象に喫煙行動や喫煙防止につながるたばこ価格などを調べた。中学校89校、高校79校から回答を得た9万39通の調査票を解析した結果、最近1カ月間で喫煙した生徒の割合は中学男子2.3%、中学女子2.0%、高校男子9.7%、高校女子4.7%に上った。毎日喫煙している生徒は中学男子0.4%、中学女子0.5%、高校男子4.9%、高校女子1.6%という結果だった。
最近1カ月間で喫煙した生徒に、たばこの価格が上がった場合の予測行動を尋ねたことろ、「600円でやめる」とした生徒は男子27.4%、女子20.8%、「1000円」では男子44.6%、女子37.3%という結果だった。
こうした結果から大井田教授らは「中高生が喫煙を開始しないようにするには、たばこ価格は少なくとも1箱1000円程度にした方がよいと考えられる」と結論付けた。ただ、中高生のうちにニコチン依存度が高く、すでに多くのたばこ代を使っている生徒はなかなか喫煙をやめないだろうと推測している。(10/9MEDIFAXより)