09年度介護報酬改定を告示/厚労省
厚生労働省は3月3日、2009年度介護報酬改定を官報告示した。介護従事者の人材確保・処遇改善に焦点を絞り、負担の大きい業務やキャリアに着目した評価を全サービスで導入した。改定率は全体でプラス3.0%で、0年の介護保険制度発足以来、初のプラス改定。厚労省老健局は近く、関連通知を発出する予定だ。
介護従事者対策は、(1)負担の大きな業務への評価、(2)専門性への評価・介護従事者の定着促進、(3)人件費の地域差への対応─が柱。各サービスで介護福祉士の有資格者や一定の勤続年数保持者、研修修了者の割合などを評価する「サービス提供体制強化加算」を新設した。従来、同様の評価を「特定事業所加算」として行っていた訪問介護と居宅介護支援は、キャリアアップの観点から要件を見直した。地域差への対応では、人件費が高い特別区(東京23区)の地域区分の上乗せ割合を12%から15%へ引き上げた。
介護3施設関連では、療養病床転換の受け皿となる介護療養型老人保健施設の基本サービス費を大幅に引き上げた。介護老人保健施設は基準を上回る夜勤配置に対する「夜勤体制加算」(1日当たり24単位)を新設し、「ターミナルケア加算」(死亡日以前15−30日は1日当たり200単位、同14日までは315単位)を算定できることとした。入所後間もない集中的なリハビリテーションにあたっては「短期集中リハビリ実施加算」を1日当たり240単位まで大幅に引き上げた。11年度末に廃止が決まっている介護療養型医療施設の基本単価は据え置いた。
介護老人福祉施設(特養)は、「重度化対応加算」に代わって手厚い看護職員配置を評価する「看護体制加算」を新設。看取り体制に関しては「看取り介護加算」の要件に統合した。
今回の改定ではリハビリ関連の手厚い評価が目立った。医療機関で介護保険の通所リハビリを実施できるよう「みなし指定」を設けるほか、通所リハビリの「短期集中リハビリ実施加算」を3カ月以内に限定し単位数を引き上げた。3カ月以降の個別リハビリは別途評価することとした。(3/4MEDIFAXより)