09年度交付税、公立8病院で打ち切りか/総務省、交付要件見直しで
過疎化によって採算の合わない公立病院に運営費を支援する「特別交付税」の適用要件をめぐって、公立病院から不満の声が出ている。2009年度から適用要件が変わることで、総務省の試算によると、8つの病院が支援対象から外れる可能性がある。3月13日の衆院厚生労働委員会では、民主党の菊田真紀子氏が「国は地域医療を守ると口で言いながら、結局こういった財政支援が打ち切られる」と述べ、見直しを要求した。
特別交付税の交付は従来、市町村内にほかの一般病院が存在しないことなどが要件だった。ただ市町村合併によって行政区域が広がったことに配慮し、総務省は実際の生活圏や不採算性に配慮する要件に見直した。08年12月に「公立病院に関する財政措置の改正要綱」として各自治体に通知した。
新たな要件では、直近の一般病院までの移動距離が15km以上、または直近の国勢調査での「人口集中地区」以外の区域に所在することなどとした。
総務省が、新たな要件を07年度の状況に当てはめて試算したところ、支援対象は232病院から320病院に増える結果になった。このため、09年度予算案で特別交付税額を80億円増額した。ただ同時に、対象から8病院が外れるとの試算結果も出た。関係者によると8病院は、(1)森町国保病院(北海道)、(2)上富良野町立病院(同)、(3)美幌町立国保病院(同)、(4)新ひだか町立静内病院(同)、(5)県立大槌病院(岩手県)、(6)見附市立病院(新潟県)、(7)公立小野町地方綜合病院(福島県)、(8)岩美町国保岩美病院(鳥取県)。(3/16MEDIFAXより)