08年度の温室効果ガス減少/経済危機で500万トン
2008年秋以降深刻化した経済危機の影響で、08年度の日本の温室効果ガス排出量が約500万トン(二酸化炭素換算)も減少する可能性があることが環境省の分析で2月10日、分かった。京都議定書が基準年としている1990年度の排出量の約4%に当たる。
短期間での大幅な排出減は、これまでの予測と大きく異なり、政府が09年6月までに決定する排出削減の中期目標をめぐる議論や、今後の温暖化対策の議論にも影響を与えそうだ。
環境省の現時点での暫定的な分析では、08年度の第3・四半期に、経済危機の影響で減ったとみられる排出量は、90年度の排出量の1.4%相当。さらに第4・四半期は、減少幅がこの2倍程度になると予測され、全体では4%前後になるという。
日本は議定書で、08−12年度の平均で、90年度比6%の排出削減が義務付けられている。だが、07年度の排出量(速報値)は同8.7%増と過去最大で、排出削減をどう進めるかが大きな課題となっている。【共同】