08年医療事故報告、過去最多の1440件/報告義務施設で
日本医療機能評価機構は3月24日、2008年の医療事故情報収集等事業の報告状況を公表した。報告義務のある医療機関(272施設)からの報告数は1440件で、前年を13.7%上回り過去最多となった。
特に、国立病院機構からの報告数が728件で半数以上を占めた。同機構は「国立病院機構からの報告数はここ数年で2倍程度に増えている。リスクが高まったというより、医療安全に対する組織的な取り組みへの意識が高いということ」と分析している。義務対象医療機関のうち報告が1件もなかったのは69施設。51件以上の報告が3施設からあった。
事故の程度別内訳は「障害の可能性(低い)」が30.7%で最も多く、「死亡」は8.0%だった。事故の概要別では「療養上の世話」40.6%、「治療処置」25.0%、「医療用具等」9.7%の順だった。関連診療科(複数回答)は整形外科の193件、内科の148件、循環器内科の123件の順で多かった。
同事業では、医療法施行規則で事故報告が定められた医療機関のほかに、任意で事故を報告する参加登録申請医療機関からの報告も受け付けている。08年12月末現在の参加登録申請施設は283施設で、08年の報告数は前年より31.3%減り123件となっている。このため、同機構と厚生労働省医政局総務課は24日までに、日本医師会など主要医療関係団体に対し、同事業への参加と積極的な事故報告を呼び掛けることを求める通知を送付した。(3/25MEDIFAXより)