麻しん予防で集団接種始まる/京都市の市立中
2008年度から全国の自治体で中高生を対象に始まった麻しん予防接種事業で接種率が伸び悩み、京都市でも全国平均をやや上回ったものの7割程度にとどまっている。原則的に医療機関で個別接種が求められることが要因とみられるため、市は集団接種に切り替え、4月16日から市立中で取り組みを始めた。
麻しんは一般的に子どもがかかるとされ、国は就学前1回の接種を無料にしてきたが、近年、大学生など成人にも流行。国はより確実に防ぐため、06年度から就学前2回の接種を無料にする制度に改めた。各自治体では06年度時点で就学している児童・生徒にも2回目接種を受けさせるため、08年度から12年度の5年間、中学1年と高校3年を対象に無料の麻疹予防接種に取り組んでいる。
しかし、個別接種が原則のため接種率は伸び悩み、08年度の中学1年接種率は全国平均66.2%(08年12月末時点)。京都市でも学校を通じた広報や個別に接種を勧めるハガキを送付したが、68%(09年2月末)にとどまった。
京都市は接種率を高めていくため、02年度のBCG接種以来となる学校での集団予防接種を中学1年を対象に実施することにした。高校3年は今後も個別接種だが、12年度までに目標の接種率95%達成を目指す。 今後11月までに市内73校で約1万人が接種する見込み。