高1、4月以降も助成対象に/サーバリックス供給不足で厚労省
グラクソ・スミスクライン(GSK)のHPVワクチン「サーバリックス」の供給が不足している問題で、厚生労働省は3月7日、国による接種費用助成の対象上限である高校1年生について、3月末までに初回の接種が間に合わず、2年生に進級した4月以降に接種を始めた場合でも当分の間は助成対象とするなどの対応を決め、都道府県に事務連絡した。
HPVワクチン接種の公費助成の対象は中学1年−高校1年の女子。初回接種から1カ月後に2回目、6カ月後に3回目の接種を行うことが必要だ。事務連絡では未接種の高校1年生の取り扱いのほか、供給状況に応じて当分の間は初回接種者への接種を控え、すでに接種を開始した人に対する2回目・3回目の接種を優先するよう、市区町村や関係機関に要請するよう求めている。
厚労省の小宮山洋子副大臣は会見し「供給については製薬企業に対して安定的な供給確保に向けた努力をお願いしてきたが、注文が急増したために需要に対して供給が不安定になっているという連絡が、製薬企業から一部の地方自治体に出された」と説明。「現在、急いで状況の把握を行っている。製薬企業には安定確保に努めるよう要請していきたい」と述べた。また、GSKが厚労省や自治体と協議しないまま、接種開始時期を可能な限り遅らせるよう一部自治体に要請していたことも明らかにした。
GSKは3月7日、「多大なご迷惑とご心配をお掛けしていることを心よりおわび申し上げる」と文書を通じて陳謝。「事態を改善すべく、2010年から生産能力を増強している。可能な限り早急に供給状況を改善すべく努力する。公費助成の対象者への年間供給量は必ず確保する」としている。
また、HPVワクチンについては、MSDが申請中の「ガーダシル」が、順調に進めば5月の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で審議され、国家検定を経て発売される見通し。(3/4・8MEDIFAXより)