高齢者医療費「最低県」は新潟/08年度、長野ついに陥落  PDF

高齢者医療費「最低県」は新潟/08年度、長野ついに陥落

 2008年度の後期高齢者1人当たり医療費が最も低かった都道府県は新潟だったことが、厚生労働省保険局医療課の調査で分かった。07年度までの「老人医療事業年報」では、長野県が18年連続で「最も老人医療費のかからない県」だったが、08年度は1位の座を新潟に明け渡し、さらに岩手にも抜かれて、3位に順位を落とした。

 厚労省は詳細を「08年度後期高齢者医療事業年報」としてホームページで公開している。対象となるのは08年3月−09年2月診療分。1人当たり医療費を低い順に見ると、前年度に2位だった新潟が71万146円で首位となり、同じく3位だった岩手が72万393円で2位に順位を上げた。3位となった長野は72万1989円。順位の変動について厚労省保険局調査課は「前年度も首位から3位まで僅差だった。長野が特別な事情で医療費が伸びたということではないと思う」としている。

●長野の伸び率、全国3位

 ただ、長野の1人当たり医療費の前年度比伸び率は、徳島(3.2%増)、山形(2.0%増)に次いで3番目に高い0.9%増だった。前年度より1人当たり医療費が伸びたのは15道県だった。

 一方、1人当たり医療費が高い順では、福岡の108万9424円、北海道の103万8446円、高知の102万8578円で順位に変動はなかった。最高の福岡と最低の新潟の格差は1.53倍だった。

●1人当たりは全国平均0.5%減

 全国平均の1人当たり医療費は86万5146円で前年度比0.5%減となっている。主な内訳は入院・食事療養・生活療養(医科)が43万927円(前年度比0.3%減)、入院外・調剤が39万4616円(同1.2% 減)、歯科・食事療養・生活療養(歯科)が2万6704円(同3.0%増)、訪問看護1998円(同8.4%増)などとなっている。

●医療費総額は1.2%増の11兆4145億円

 医療費総額は11兆4145億円で前年度比1.2%増。うち医療給付費(高額療養費4015億円を含む)は10兆4052億円、実質一部負担額は1兆93億円となっている。主な内訳は診療費9兆1558億円(同0.6%増)、調剤1兆7035億円(同4.9%増)、食事療養・生活療養3850億円(同0.7%減)、訪問看護264億円(同10.3%増)。総件数は3億8002万件で前年度より微減している。(7/9MEDIFAXより)

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