高齢者制度「早期廃止は慎重に」/知事会が厚労相らと会談
全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)と知事会社会文教常任委員長の神田真秋・愛知県知事は11月30日、厚生労働省に細川律夫厚労相らを訪ね、検討が大詰めを迎えている新たな高齢者医療制度の在り方について会談した。知事会側は、厚労省の「高齢者医療制度改革会議」の議論について「国保が抱える構造的な課題の解決になっていない」と懸念を表明し、現行制度の早期廃止に慎重な対応を求めた。
会談は冒頭を除き約1時間にわたって非公開で行われた。終了後に会見した麻生会長は、政府・与党の社会保障改革検討本部で税と社会保障の一体改革の議論が進んでいることに触れ「税制と一体で考えるべきという意見は正しい」と述べた。改革会議では新制度の運営主体を都道府県が担うべきとの意見が大勢を占めているが、「責任逃がれをするつもりはないが、財源論があいまいなままで受けるのは難しい」とした。
改革会議委員を務める神田知事も「一貫して膨張する医療費を誰がどう負担するか、国の覚悟を主張してきた。医療保険の最後の砦である国保財政の議論なく、都道府県に(運営主体を)受けてくれというのは拙速」と述べた。
厚労省によると細川厚労相らは、改革会議の議論に基づく移行に理解を求め、国保財政について地方との協議の場を設ける考えを示したという。(12/1MEDIFAXより)