高齢者「かかりつけ医」議論再燃か/新制度の検討で  PDF

高齢者「かかりつけ医」議論再燃か/新制度の検討で

 高齢者医療に関する「かかりつけ医」の在り方の議論が本格化する可能性が出てきた。厚生労働省が6月23日の「高齢者医療制度改革会議」で示した「これまでの議論の整理」では、後期高齢者医療制度廃止後の制度設計を議論している現行の改革会議とは別に、高齢者向けの医療サービスについて新たに「検討の場」を設け、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて議論することに言及した。今後の検討に当たる「基本的視点」として「かかりつけ医の普及」などを盛り込んでいる。

 高齢者に対する「かかりつけ医」機能をめぐっては、現行制度発足に合わせた08年度診療報酬改定で「後期高齢者診療料」を創設した。糖尿病などの慢性疾患を「主病」とする後期高齢者に対して、診療計画書に基づいて継続的な外来医療を提供した場合に評価する包括点数で、原則として1人の患者を1つの医療機関が診るとした点について「登録医制度につながる」として都道府県医師会などが反発。日本医師会の原中勝征会長は当時、茨城県医師会長として、同診療料の届け出をしないように訴える運動の急先鋒だった。

 同診療料は算定した医療機関が届け出医療機関の1割程度だったことなどから、10年度改定で廃止となった。厚労省保険局医療課は同診療料が廃止された経緯も踏まえ、「かかりつけ医の役割の明確化などの議論が進まなければ、点数付けの議論に入るのは難しい」とし、議論の成り行きを見守っている。(7/6MEDIFAXより)

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