高齢結核率、京都で上昇/60歳以上7割超に  PDF

高齢結核率、京都で上昇/60歳以上7割超に

 結核患者数に占める高齢者の割合が、京都市内で年々高くなっている。結核患者は京都市を含め全国的に減少傾向にあるが、2008年速報値で市内の60歳以上の患者割合が初めて7割を超え、全国平均を大きく上回るとみられている。市は「高齢化率が高くなり、体力の低下が一因」とみているが、今後も増加する可能性が高く、早期の受診を呼びかけている。

 市内の結核患者数は04年428人、05年407人、06年366人、08年337人と減少傾向にある。人口10万人当たりの患者数を示す罹患率も29.2(04年)から23.0(08年)に減った。

 しかし、患者に占める60歳以上の高齢者の割合は年々増加。04年は59%(253人)だったが、05年には66%(269人)、07年69%(267人)にアップし、さらに、08年には72%(244人)と初めて7割を突破した。高齢患者は全国的にも微増傾向にあるが、07年で比較すると、京都市は全国平均(62%)を7ポイントも上回っている。

 高齢者の比率が上昇している理由について、市は「京都市はほかの同規模の都市と比べて高齢化率が高く、戦前戦後に結核がまん延した時代に感染し、体力が衰えてきた今になって発症しているのでは」と分析している。

 京都府によると、近年、府内でも高齢者の患者比率が高水準で推移しているという。

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