高齢社会対策大綱、見直しへ議論開始/内閣府・検討会
内閣府は10月21日、「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」(座長=清家篤・慶應義塾長)の初会合を開き、高齢者の雇用や健康、社会参加など高齢社会対策の指針となる高齢社会対策大綱の見直しに向けた議論を開始した。
高齢社会対策大綱は2001年12月に閣議決定して以降、10年間見直しが行われてこなかった。6月に政府与党が社会保障・税一体改革成案を取りまとめたことで、社会保障制度について一定の方向性が示されたことと、12年度に団塊世代が65歳に達し、65歳以上の高齢者が大きく増加することを背景に見直しを行う。12年2月に報告書を取りまとめる。
今後の高齢社会対策について、構成員からは「65歳で高齢者を線引きするのは本当に適切なのか」「コミュニティーを中心とした互助の場が必要」などの意見が上がった。香山リカ構成員(立教大現代心理学部映像身体学科教授)は、高齢住宅を訪問するライフサポートアドバイザーや、被災地の仮設住宅を訪問する健康生活サポーターを例に「こちらから訪問して生活相談に乗ったり、サービスにつなげたりするようなアウトリーチ型の支援も必要だ」と述べた。この他にも、ケアが一度に受けられる施設や高齢者を介護する人たちを支援する仕組みが必要だとも述べた。
清家座長は「社会保険を中心とする共助、政府が直接的に支援する公助のほかに、市場メカニズムを通じた自助、コミュニティーを中心とした互助を合わせながら、尊厳ある高齢社会をつくっていきたい」と述べた。(10/24MEDIFAXより)