骨太方針09 社会保障抑制方針は削除せず 次年度予算では自然増認める

骨太方針09 社会保障抑制方針は削除せず 次年度予算では自然増認める

 政府は6月23日、「経済財政改革の基本方針(骨太方針)2009」を閣議決定した。焦点となっていた社会保障費の抑制に関しては、「基本方針2006等を踏まえ」という文言の削除はせず、「社会保障の必要な修復をする」という文言を追加し、与謝野馨財務・金融・経済財政相が自民党に対し、10年度予算編成で社会保障の自然増は認める、旨の確約を行うことで決着した。

 小泉政権最後の骨太方針06は、07年度から5年間の歳出削減計画に基づき、社会保障費1・1兆円を抑制することを掲げた。社会保障費の自然増抑制は、すでに02年度に3000億円、03年度からは毎年2200億円が抑え続けられてきており、これによる現場の疲弊はもう限界という声は、またしても阻まれた。

 また、基本方針と併せて改定した「中期プログラム」には、11年度までに実施する重要事項として、(1)次期診療報酬改定で「選択と集中」の考えに基づき診療報酬配分の見直しを行う、(2)地域間、診療科間、病院・診療所間の医師の偏在是正のための効果的方策を講じる、(3)社会保障番号・カードの11年度中の導入を目途に制度設計を行う、(4)11年度当初までのレセプトの原則完全オンライン化、(5)都道府県に基金を設置し地域医療再生・強化を図る、などが盛り込まれている。

2010年度予算の方向

 2010度予算は、持続的な経済成長と財政健全化の両立を図る上で重要な予算である。「基本方針2006」等を踏まえ、無駄の排除など歳出改革を継続しつつ、安心・安全を確保するために社会保障の必要な修復をするなど安心と活力の両立を目指して現下の経済社会状況への必要な対応等を行う。

※下線は素案以降の追加

 

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