食料不足人口が1億人増/07年、食料・燃料高騰で
米農務省は7月9日までに、食料と燃料の価格高騰が原因で、世界の食料不足人口が2007年、前年に比べて推定1億3300万人も増加したとする食料安全保障の年次報告書を発表した。
国連食糧農業機関(FAO) の基準に従い、1日のカロリー摂取量が2100キロカロリーに満たない成人数を推計。70カ国の発展途上国で食料不足人口は06年には8億4900万人だったが、07年は9億8200万人になった。
前年の報告書では食料不足の人口が10年後に減るとしていたが、08年の報告書では、食料と燃料の価格高騰と世界経済の低迷により17年までに12億人に増えると指摘。特に、アジアで改善傾向が減速し、人口の約20%が低栄養状態に陥るという。
農務省によると、05年から07年に穀物価格が50%上昇。今後10年間にわたり高値が続き、低所得層への打撃となるという。アフリカなどへの米国の食料援助も、輸送費上昇のあおりを受け、過去5年間で半減した。【ワシントン7月9日共同】