食の安全を歪めるTPP ネット学習会で批判
「TPPと食の安全」をテーマに4月26日、農民連分析センター所長の八田純人氏を講師に学習会が開催された。協会も参加するTPP京都ネットと京都食健連の共催。
八田氏は、身の回りの食べ物について、「安さ」「見た目の良さ」「便利さ」で 漫然として買い物をするのではなく、食べ物の質によく注意を払うべきと訴え、本物を選択する消費者の行動がメーカーの姿勢をかえてゆくことにつながる。「おにぎり」でもコンビニごとに添加物の数に違いがある。それは消費者の声を反映した歴史がある。
メーカーの行動は経済性と効率主義で、もうけのために食べ物の本来の姿がゆがめられている。コンビニのおにぎりに油が使われている理由は何か、居酒屋のホッケがいつも脂がのっておいしいのはなぜか、100%濃縮還元ジュースの意味など、身近な問題から食の裏側を告発。
TPP協定によって、残留農薬の安全基準の引き下げや遺伝子組み換え食品が大量に輸入され、表示をさせない圧力がかかる動きなど、国民の命と健康が脅かされる事態が強まっている。その根っこにはモンサントなど多国籍企業が世界の種子を支配し、国民の胃袋、食を支配する野望と結びついている。
分析センターでトウモロコシを原料にしたスナック菓子を分析すると、遺伝子組み換え不使用と表記された袋から遺伝子組み換えトウモロコシが検出される。遺伝子組み換え食品の発がん性など多くの問題が指摘されるが、企業の圧力で告発した研究者が職場を追われる事態があちこちで起こっている。アメリカ国内でも表記を求める消費者の動きが広がっており、モンサントなどの激しい攻撃にさらされ法律をつぶされたところもでている。
広く消費者、国民に知らせてTPPを許さない行動を広げることを呼びかけた。
街頭でTPP協定の問題を訴え
TPP京都ネットは協定の問題を市民に訴えるべく、4月15日に西院、京都駅前、烏丸四条の3カ所で連続宣伝を行った。「薬価高騰で医療を壊す」「食の安全を脅かす」などと批准させないよう訴えた。