震災対策を柱に13項目の提言/日医の概算要求要望  PDF

震災対策を柱に13項目の提言/日医の概算要求要望

 日本医師会は7月13日の定例会見で、2012年度概算要求への要望を公表した。東日本大震災への対策を柱に13項目の要望をまとめた。震災対策では、被災地の医療復興と被災地以外の医療機関の防災対策を目的とする基金の創設などを盛り込んだ。今村聡常任理事はすでに民主党に要望を説明したとし「3次補正予算の中で対応できるものは早急にお願いしたい」と述べた。今後、関係省庁へ要望書を配布し、厚生労働省については各局へ説明する機会を設けたいとした。

 震災対策ではほかに日医災害医療チーム(JMAT)編成への補助や病院船の建造、CBRN(化学、生物、放射性物資、核)災害への対応推進などを求めた。福島第一原子力発電所の事故関連では、避難者で人口が急増した地域の医療提供体制の整備を要望。11年度の2次補正予算案に盛り込まれた二重債務の負担軽減措置の継続と充実も求めた。

 「良質かつ安全、安定した医療提供体制の実現」の項目では、医療安全の観点から要望をまとめた。死因究明制度の検討推進として、日本医療安全調査機構が運営する「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」に交付される補助金の増額を要望し、死亡時画像診断の予算措置拡充も盛り込んだ。

 「医師・看護師等確保対策の確立」では、日医などが実施する「女性医師支援センター事業」の実績を強調し、継続と拡充を求めた。勤務医対策では多様な勤務体制構築の促進や医師事務作業補助者の設置、充実を求めた。看護師等養成所運営費の補助基準額の増額と国庫補助率の引き上げも要望した。

●現役世代の2割負担も要望
 患者負担の軽減措置の財源確保も要望した。70−74歳の窓口負担を1割とする軽減特例措置の継続のほか、義務教育終了後から69歳までを2割、義務教育就学中と義務教育就学前をゼロとするよう求めた。

 「地域医療再生のための連携体制の確立」では、医療連携体制推進事業と11年度から整備が始まった「地域医療支援センター運営事業」の拡充を要望した。地域医療で重要な役割を果たすと位置付けている有床診療所への支援も継続して求めるとした。

 ほかには介護サービスの確保と質の向上、IT化推進のための財政的支援、救急医療・災害医療体制の確立、感染症対策の推進、医学教育と研究充実のための整備と支援などを盛り込んだ。(7/14MEDIFAXより)

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