電子レセプトの5割超は「エポックメイキング」/支払基金・中村理事長  PDF

電子レセプトの5割超は「エポックメイキング」/支払基金・中村理事長

 社会保険診療報酬支払基金は1月27日の定例会見で、2008年12月時点の電子レセプトとオンライン請求の普及率を公表した。400床以上の病院では、すべてのレセプトに占める電子レセプトの普及率は95.5%。 この規模の病院は08年度からオンライン請求が原則義務化されていることから、すべての電子レセプトがオンラインで請求されている。400床未満の病院の普及率(レセプト件数ベース)は、電子レセプトは60.4%、オンライン請求は26.5%だった。

 一方、診療所は電子レセプトは34.7%、オンライン請求は3.9%の普及率にとどまっている。薬局では電子レセプトの普及率が94.1%に達する一方、オンライン請求は27.3%だった。12月に支払基金が受け付けた電子レセプトの割合は全体で54.5%だった。

 中村秀一支払基金理事長は会見で、08年10月の段階で支払基金が受け付けた電子レセプトの割合が5割を超えたことについて「エポックメイキング」との見方を強調。「従来の『紙本位制』が大変革を迎え、この流れに対応することが支払基金の最大の課題になる」とした。その上で、取り組みが遅れている歯科を念頭に、電子レセプトの拡大を当面の課題に位置付けたほか、保険者からの再審査請求などを電子的に処理できるシステムの完成や、電子レセプトの審査の充実、システムの基盤強化、保険診療の質的向上への貢献に取り組む意向を強調した。

 一方、オンライン請求義務化を違憲として訴訟が起こされたことについては「コメントする立場にない」としながら、医療サービス分野のIT化を通じて医療の質的向上や透明化を図ることに意義があるとの考えを示し、「公正・公平、さらに『見える化』を進めることで医療に対する信頼確保に貢献することがわれわれの立場だ」と述べた。(1/28MEDIFAXより)

ページの先頭へ