電子レセの進展で「最大の変革期」/支払基金・中村理事長  PDF

電子レセの進展で「最大の変革期」/支払基金・中村理事長

 社会保険診療報酬支払基金の2008年度全国基金幹事長会議が3月25日、開かれた。中村秀一理事長は電子レセプトの急速な進展を踏まえ「支払基金は最大の変革期を迎えた」と強調。レセプトオンライン請求が義務化される11年度を見据え、09年度以降の2年間は特に電子レセプトに対応した新しい審査支払い業務の確立に向けて集中的に取り組む意向を示した。

 中村理事長は理事長説示の中で、支払基金が受け付けたオンライン請求の割合は08年10月の12.8%から、09年2月には28.6%に倍増したと報告。また、オンライン以外の電子媒体を含めた電子レセプトによる受け付けが08年10月の51.2%から09年2月には57.6%に達しているとし、「すでに電子レセプトと紙レセプトの割合は6対4となりつつある」と述べた。

 その上で、09−11年度の支払基金の基本方針に盛り込んだ「電子レセプトに対応した新たな審査支払い体制の構築」について、特に(1)コンピューターを活用した審査支払い機能の拡充(2)現行の審査支払い体制からの円滑な移行─に努力を傾注する考えを強調。レセプトオンライン化で審査の透明化を図り、支部間の差異解消につなげていく意向も明らかにした。

 紙レセプトから電子レセプトへの移行に伴い、支払基金の業務の重点が「請求支払い業務」から「審査業務」に移行することが見込まれることから、業務処理体制や組織運営の見直しに取り組む方針も示した。組織運営については、特にシステムの安定的運営や障害発生時の対応に配慮する考えを示した。

 全国組織としての機能強化を図り、本部と47支部が一体的運営に当たるとの方向性も示した。新たに「全国基金研究発表会」を09年7月に開催する計画もあり、各支部が日常的に取り組む審査の充実や運営上の方策などを発表し意見交換する。

 事業実績などの分析・評価への取り組みも強化し、実際の運営管理に役立てる。情報開示を積極的に進め、支払基金としての説明責任を果たす方針も示した。

 また、「今後の審査委員会のあり方に関する検討会」を設置する考えをあらためて報告。電子レセプトに対応した新しい審査体制のあるべき姿について検討する意向を示した。(3/26MEDIFAXより)

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