雇用保険の国庫負担削減が必要/諮問会議民間議員の八代氏
政府の経済財政諮問会議の八代尚宏民間議員は9月17日に開かれた同会議に、「特別会計改革の方向性について−ストック管理のあり方を中心に−」と題する資料を提示した。労働保険特別会計(雇用勘定) の積立金について「規模の拡大が続いているが、これをより迅速に保険料率や国庫負担の引き下げに結び付けることはできないか」と問題意識を表明。社会保障費2200億円削減の有力なメニューと考えられている雇用保険の国庫負担削減の必要性について言及した。
資料によると、雇用保険財源となる労働保険特会(雇用勘定) の積立金は、2006年度決算ベースで5兆1000億円に上る。現行の年間失業給付額に対する積立金の比率は3.2倍と高い水準にあるとしている。
さらに、労働保険特会(雇用勘定) への一般会計からの繰入額(国庫負担金) が1612億円あると指摘。「積立金が過剰になったことを理由に保険料を引き下げるのであれば、国庫負担も同様に引き下げるという考え方もとれるのではないか」と明記した。仮に積立金が枯渇するような事態が発生した場合も想定し、「一時的な借り入れを可能とする法的な整備を行うことも考えられる」とした。(9/18MEDIFAXより)