集約化でオープンシステム促進を/経済同友会が提言
経済同友会はこのほど、「地域を主体とする医療制度を目指して」と題する中間報告書をまとめた。地域医療の連携強化に向け、診療所の医師が基幹病院の設備を利用して自身の患者の治療を行う「オープンシステム」の促進を提言。これに向けて医師の技術料(ドクターフィー)を区分するなどの診療報酬体系の見直しを訴えている。
報告書では、公立病院の統廃合を進め地域の医療機関で重複する診療科を集約し、高度な設備や医療機器などを集中的に配置することで地域医療の効率化を図るべきと指摘。集約化された基幹病院を活用した「オープンシステム」の拡充を訴えている。人員の集中配置にもつながるため、医師不足などの課題にも対応可能としている。
「オープンシステム」の拡充には、どの医療機関で診療しても医師本人に支払われる技術料(ドクターフィー)を、病院の開設・運営費(ホスピタルフィー)と分離する必要性も指摘。「技術評価の方法について議論を要するが、医療行為の難易度を反映した設定にすることで、医師の技術向上のインセンティブにもなり得る」とした。
地域の医療機関の連携強化には、IT技術を活用すべきとしたほか、診療データに基づく標準医療が全国に行き渡る環境を国が主体となって整備すべきとも提言。2011年度からのレセプト完全オンライン化を実現するために、当初のスケジュール通りに確実に実施するよう求めた。
このほか、基幹病院の経営体制に関しては、病院経営を専門家に任せ、医師は医療に専任することを提案。経営と執行で役割を分担する株式会社制度を活用することで、安定した病院経営を行えるとしている。(7/2MEDIFAXより)