集団的個別指導の選定基準 厚生局 各科別平均点数を開示  PDF

集団的個別指導の選定基準 厚生局 各科別平均点数を開示

 近畿厚生局京都事務所は4月27日、「診療科別平均値一覧表」と「2011年度指導等月別実施予定表」を開示した。これは、京都府保険医協会の開示請求により行われたもの。

 このうち、「診療科別平均値一覧表」(表1)は「2011年度集団的個別指導」の対象医療機関選定の基準となる。

 集団的個別指導は、レセプト一件当たりの平均点数が高い保険医療機関が対象となる。各都道府県における17類型区分ごとに、平均点数の1・2倍(病院は1・1倍)であり、かつ概ね上位8%の保険医療機関を対象に実施される。

 診療所の場合は11診療科に分けられ、外来レセプトが対象にされる。院外処方を行う医療機関に対しては平均点数が補正される。補正は、各科ごとに一律に表一番右の点数を加算して行われるが、各府県で補正点数は異なる。

 11年度の集団的個別指導は7月の実施が予定されている。対象医療機関(予定段階の数字)は、診療所166機関(前年比74機関増)、病院10機関(同1機関減)である。診療所の対象数が大幅に増えている。出席案内は開催日の3週間前に送付される。

 「指導大綱」上は翌年度も高点数保険医療機関に該当した場合は、翌々年度に個別指導の対象になる可能性があるが、09年度、10年度前半までの実績では、高点数を理由とした個別指導は行われていない。集団的個別指導または個別指導を受けた保険医療機関は、翌年度及び翌々年度は集団的個別指導の対象から除かれる。

 全国的に地方厚生局による選定誤りがたびたび発生している。出席案内が送付された場合でも、納得ができない場合は近畿厚生局京都事務所に確かめることをお勧めする。

個別指導対象は病院、診療所とも9機関か

 一方、「2011年度指導等月別実施予定表」(表2)によると、個別指導の対象医療機関数は診療所86機関(前年比4機関減)、病院9機関(同4機関増)となっている。ただし、診療所のうち、墨塗り下段の77機関は1件当たりの平均点数の高い保険医療機関(集団的個別指導からの移行)ではないかと考えられるため、11年度も予定通り実施されるとは限らない。診療所の上段の9機関、つまり「審査支払機関、保険者、患者等からの情報提供」や「再指導」等の理由により選定された9機関(前年比5機関減)が優先して指導されることになろうが、動向は注視していきたい。

 なお、病院にのみ実施されている施設基準等適時調査は、11年度は61機関(前年比5機関減)が予定されている。

 協会は、個別指導において保険医の人権が脅かされてはならないと考えており、個別指導時の録音と弁護士の帯同を推奨している。会員の希望があれば、5万5555円(源泉税含む)+交通費実費の負担で、協会顧問弁護士事務所から弁護士の帯同が可能である。ご相談いただきたい。

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