集団的個別指導の誤選定で激しい応酬/大阪府医の代議員会
大阪府医師会(酒井國男会長)は8月23日、臨時代議員会を開いた。近畿厚生局の集団的個別指導対象機関の誤選定問題や、HIV検査診療所の運営受託問題などに関して、伯井俊明・元日本医師会常任理事らのグループと執行部の間で激しい応酬が展開された。
集団的個別指導問題は、近畿厚生局が7月末までに選定・通知した医療機関数643施設のうち、半数を超える351施設が誤って選定されていたもので、府医は8月7日に同厚生局に厳重抗議した。集団的個別指導は2009年度、実施当局が社会保険事務局から同厚生局に移管し、それに伴っていわゆる「大阪ルール」が全国ルールに変更されたことが背景にある。
酒井会長は代議員会の冒頭で経緯を報告。問題が起きているにもかかわらず、同厚生局が8月18日に09年度第1回目の集団的個別指導を実施したことを受けて、8月20日付でも抗議した結果、同厚生局から再度「お詫び」とミスを認める文書を受け取ったことを説明した。その上で酒井会長は、集団的個別指導は無意味な制度であるとして、医師会主導の教育的指導に改善するよう今後も働き掛けていく方針を強調した。また、同厚生局が「厚生労働省の圧力があり、地方単独では解決できない」と漏らしているとして、「中央で日医が働き掛けないと解決できない」とも説明した。
これに対し、伯井氏や松原謙二・元日医常任理事らは「府医の会員機関が誤選定により直接、影響を受けた問題であり、厚生局とのやり取りを詳細に報告すべき。集団的個別指導ボイコットの指示など、一段強い抗議活動を展開すべき」と激しく反発した。酒井会長は「指導大綱に沿って全国一律に実施するという姿勢を変えるには、厚労省に働き掛けるしかない。日医にはすでに対応するよう申し入れており、日医を通じて対処する」と説明した。また、この問題については全国の医師会で共通認識が薄く、解決を難しくしているとして理解を求めた。(8/25MEDIFAXより)