集団的個別指導、過半数が「非該当」だった/近畿厚生局、大阪で  PDF

集団的個別指導、過半数が「非該当」だった/近畿厚生局、大阪で

 診療報酬請求の“高点数医療機関”に対して実施される「集団的個別指導」の対象として、今年4月から7月末までに大阪府内で選定された医療機関のうち、半数以上が「非該当」だったことが分かった。大阪府医師会は近畿厚生局に抗議し、経緯を郡市区医師会に通達した。同厚生局も非該当医療機関にその旨を通知した。

 集団的個別指導は、今年度から地域ブロック単位の地方厚生局が実施することになり、対象を選定する際の大阪独自のローカルルール「上位4%の高点数医療機関」が全国レベルの「上位8%」に引き上げられた。このため府内の医療機関には、新ルールによる指導に対する警戒感が強まっていた。

 今回、近畿厚生局が対象として7月末までに選定・通知した医療機関は644(1医療機関は休止のため実際は643)。しかし通知された医療機関から指摘を受けた大阪府医が、近畿厚生局に確認を求め、同局が見直しを行った結果、半数を超える351医療機関が、本来選定の対象とはならない医療機関だったことが判明した。

 大阪府医によると、今回の「誤り」は近畿厚生局が従来の被用者保険のデータに国保のデータを加えた際、事務処理を間違えたため起きたという。同厚生局も「データの一部の不具合」と説明している。個別指導に関して大阪府医は「医師会と行政が協力して実施できる運用への見直し」を今まで以上に日本医師会を通じて働き掛けるとしている。

 集団的個別指導は、レセプト1件当たりの平均点数が、各都道府県の平均点数と比べて病院が1.1倍、診療所が1.2倍を超え、かつ過去2年間に指導を受けた医療機関を除いた上位8%の医療機関が対象。1996年度に集団的個別指導が開始されて以後、大阪では毎年度ほぼ300医療機関程度が対象となってきた。今回、対象を上位8%に広げたにもかかわらず、実際の対象は例年と変わらない292医療機関にとどまったのは、県内平均点の1.1倍超、1.2倍超の要件を満たさず対象から外れる医療機関が多かったのが原因とみられる。

 大阪府医は会員への説明文書の中で「指導の通知が送付されてくること自体、プレッシャーに感じる会員も少なくない。本来、慎重にも慎重を期して送付されるべき性格のもの。近畿厚生局への事務移管後、最初の実施に際して事前チェックなしで初歩的な誤りを犯したことは前代未聞で容認できない」と厳しく批判している。(8/10MEDIFAXより)

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