隠された被曝労働を告発/反核医師の会が総会記念講演
市民公開講座「隠された被曝労働―日本の原発労働者」を4月14日、反核京都医師の会、京都府保険医協会、京都府歯科保険医協会の共催で開催した。講師の報道写真家の樋口健二氏は、1966年の四日市ぜんそくから公害の取材を開始、福島事故以前からずっと原発労働者の実態について明らかにしてきた。参加者は72人。
樋口氏は、原発内での労働による被曝の後遺症に苦しむ人々に寄り添いながら取材を続け、その方々の思いを代弁したり、撮影が許されない原発内部での労働実態を撮影した写真を紹介しながら、原発労働に潜む差別構造を知ってほしいと訴えた。
原発の点検・補修は下請け労働者の手作業でしか実施できず、常に被曝は避けられない。その下請け労働の構造は孫請け、ひ孫請けに担わされ、そこには暴力団も介在し人権無視の差別が生み出される。被曝歴を改ざんした跡の残る手帳の写真を見せながら、労災を申請させない実態などを明らかにした。
参加者アンケートでは、「『隠された被曝労働』があると思っていたが、想像以上に現実はひどいことが分かった」「大変迫力のある具体的な話を直接聞けて良かった」などの反応があった。
講座に引き続いて、反核京都医師の会の第32回定期総会が行われた。三宅成恒代表世話人より2011年度の活動報告、決算案ならびに12年度活動方針、予算案を一括提案し、承認された。その後役員選出を行い、木村敏之世話人を副代表世話人に、宇都宮久清氏、田代博氏を新たに世話人に迎えた。
樋口健二氏(円内)が写真で告発