開業後にストレス増加が半数以上/日医調査
日本医師会は9月30日の定例会見で「開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査」結果を発表した。過去5年以内に開業医となった医師の約6割が、開業の理由を「自らの理想の医療を追求するため」とした一方、開業後にストレスが強くなったと答えた医師も半数を上回った。
会見で中川俊男常任理事は、病院勤務医と開業医は共に過酷な勤務状況にあるとし、両者に対する評価の重要性を強調した。
調査は、日本医師会員のうち、医療法人または個人立の診療所や病院の開設者を対象に、7月28日から8月28日に実施した。3974施設に調査票を郵送し、有効回答は1984件(有効回答率49.9%)だった。
過去5年以内に開業医となった医師の59.0%が、開業の理由(複数回答)に「理想の医療の追求」を挙げており、最も多い割合を占めた。一方、勤務医時代の経験も理由に挙がり、全体の31.7%が「過重労働に疲弊」、30.6%が「精神的ストレスに疲弊」を挙げた。
「勤務医時代のほうが負担だった業務」(複数回答)を聞いたところ、全体の44.5%が「当直」を挙げ、最も多かった。続いて「時間的拘束」37.7%、「診療に関する会議など」17.2%、「自身の医療水準維持」16.5%などの順だった。
「開業してからのほうが負担になっている業務」(同)については全体の52.2%が「レセプトの作成、チェック」を挙げており、最も多い割合を占めた。「自身の医療水準の維持」を挙げたのは49.5%で、開業医の負担業務としては2番目に多かった。そのほか「レセプト以外の書類作成」38.3%、「時間的拘束」28.5%などが挙がった。
勤務医や研究者時代と比べて、開業後のストレスの程度を聞いたところ、「かなり強くなった」が27.7%、「やや強くなった」が26.7%、「同じくらい」が17.8%だった。「弱くなった」としたのは、全体の22.2%だった。(10/1MEDIFAXより)