開業医の時間外労働、月80時間/保団連調査、過労死基準上回る  PDF

開業医の時間外労働、月80時間/保団連調査、過労死基準上回る

 保団連は4月22日、開業医が1カ月に仕事に割く時間は252時間で、時間外労働は約80時間に上っているとの調査結果を発表した。厚生労働省が定めた過労死の認定基準を上回っており、長時間働いている開業医ほど体調不良などの自覚症状を訴える傾向があった。調査結果を分析した大阪社会医学研究所の中村賢治医師は「開業医の労働付加を今以上に増やすことは、健康を害する開業医がさらに増える可能性があると同時に、医療の安全性をさらに低下させると考えられる」としている。

 調査は2008年2月、大阪府保険医協会と大阪府歯科保険医協会の会員101人(医科81人、歯科20人)を対象に実施。86人(医科69人、歯科17人)から回答を得た。

 調査結果によると、開業医の1カ月当たりの平均診療時間は180.1時間で、事務作業なども含めた仕事に費やす時間は252.0時間。法定労働時間である週40時間を除いた時間外労働は80.6時間に上り、厚生労働省が脳・心臓疾患の過労死の認定基準で「業務と発症の関連性が強いと評価できる」と定めている月80時間を上回った。

 さらに、最近1カ月間の自覚症状を聞いたところ、「体の調子が悪い」「することに間違いが多い」「仕事中、強い眠気に襲われる」ことなどが「よくある」と答えた開業医は、労働時間が長い傾向があった。(4/23MEDIFAXより)

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