開業医と勤務医の給与「単純比較は困難」/医療経済実調
厚生労働省が10月30日の中医協総会に報告した医療経済実態調査によると、直近の決算データを基に算出した年間データで、一般診療所の院長の給与(年額)は2521万7000円余りで一般病院の病院長(2638万6000円余り)とほぼ同等。一般病院の勤務医(1450万円余り)の約1.7倍となっている。ただ、年齢が加味されていないなど単純な比較には課題も多い。
2009年6月の単月調査を見ても、一般診療所院長の給与(賞与月額分を含む)は208万2000円余りで一般病院の病院長(218万7000円余り)とあまり変わらず、病院勤務医(123万2000円余り)の約1.7倍となっている。ただ、前回調査時と比べて診療所院長の給与は0.2%減っているのに対し、病院長は0.4%、勤務医は4.5%増えている。
一般診療所の調査対象の約半数を占める「個人診療所」は、借入金の返済や建物の改築費用なども含まれているため、1人当たりの給与の算出ができない。
医療法人立の一般診療所のみを抽出して、医療法人立病院と比較すると、診療所院長給与は年額2559万2000円余り、病院長は3170万3000円余りと病院長の方が高い。勤務医は一般診療所が1303万7000円余り、一般病院が1550万3000円余りとなっている。
厚労省保険局医療課は「病院勤務医は比較的若い人が多く、診療所の院長は年齢層が高いと推測される。医療経済実調ではこうした年齢や男女比などは加味されていない」とし、給与だけを取り出して単純に比較するのは困難との見方を示している。(11/4MEDIFAXより)