銚子市立総合病院が休止/医師不足と財政難理由に
医師不足と財政難に苦しむ千葉県銚子市の市立総合病院は、9月30日を最後にすべての診療を休止した。地域医療の中核を担う病院が休止に追い込まれる例は珍しく、市は2009年4月に公設民営での再開を目指しているが、引受先のめどは立っていないという。
岡野俊昭市長は「何とか存続できないかと腐心してきたが、つらい決断をしなければならなくなった。力至らず、深くおわび申し上げます」とのコメントを発表した。
精神神経科に通う約1000人の患者に対応するため、市は10月1日以降、病院施設の一部を利用した診療所を開設、千葉大から非常勤で医師の派遣を受けて診察を続ける。また、同病院が行ってきた平日夜間の小児救急も同様に、銚子市医師会の医師が当番制で担当する。
市立総合病院には06年4月まで35人前後の常勤医師がいたが、現在の臨床研修制度の影響で医師の引き揚げが始まり、08年4月には13人に激減。収益が悪化した上、市の財政支援も受けられず休止に追い込まれた。一部の市民は病院存続を公約に掲げていた岡野市長に反発し、リコールを検討している。【共同】(10/2MEDIFAXより)