重点枠、在宅医療・介護推進は18億円に減額査定/12年度予算案  PDF

重点枠、在宅医療・介護推進は18億円に減額査定/12年度予算案

 2012年度予算案の重要課題を検討する「予算編成に関する政府・与党会議」は12月22日、12年度予算で設けられた特別枠「日本再生重点化措置」の対象事業と金額を決めた。厚生労働省は特別枠に総額1059億円を要望していたが、約220億円の配分にとどまった。3事業で計127億円の要望を出していた在宅医療・介護の推進は、18億円に減額された。ライフイノベーションの推進は、4事業で115億円程度が認められた。医療情報を蓄積するためのサーバーを設置する病院に費用を補助する「医療情報連携の基盤整備」はゼロ査定で落選した。

 9月に閣議決定した概算要求組み替え基準では、特別枠は7000億円程度の予定だった。しかし、予算編成過程で歳出削減を徹底して捻出した財源を上乗せし、1兆578億円の枠を確保した。財務省の藤田幸久副大臣は会見で「概算要求段階で想定したよりも、一層の予算重点化を実現できた」と述べた。

 在宅医療・介護の推進には3事業が含まれている。人材育成のための研修費用で1億900万円、訪問看護ステーションの拠点整備、在宅医療連携拠点の支援で11億7000万円、がんや難病の在宅患者支援の体制整備で5億2000万円を確保した。

 ライフイノベーション推進には、臨床研究中核病院の整備に充てる24億円などが盛り込まれている。同中核病院に予算は付くが「効果的な支援方法を検証するための試行として、箇所数を絞り込んで措置」とした。厚労省が要望していた10カ所の整備は、12年度予算では不可能になる。

 このほか小児がん対策を進めるために拠点病院の体制整備をする事業に2億8000万円を措置する。厚労省は10カ所程度の整備を要望しているが、単価の圧縮を条件に認めた。新型インフルエンザ対策の強化として、抗インフルエンザウイルス薬などの備蓄経費で要望していた134億円はゼロ査定に終わった。

 財務省主計局の可部哲生総務課長は「重点枠で落選した事業が、通常枠で認められることはないだろう」と説明した。政府は12月24日に12年度予算案を閣議決定する。(12/26MEDIFAXより)

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