都道府県国保の全年齢化「早期に実現」/新高齢者制度  PDF

都道府県国保の全年齢化「早期に実現」/新高齢者制度

 厚生労働省の高齢者医療制度改革会議(座長=岩村正彦・東京大大学院教授)は8月20日、後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度の骨格となる中間取りまとめを了承した。前回会合での議論や、その後の地方公聴会、意見交換会での意見を踏まえ、全年齢を対象とした都道府県単位国保について早期に実現を図る考えを盛り込んだ。

 新制度では現在の後期高齢者医療制度の被保険者のうち、サラリーマンとその家族は継続して被用者保険に、それ以外は国保に加入する仕組みとする。

ただし、高齢者が一気に市町村国保に加入した場合に保険料負担増などが懸念されるため、75歳以上または65歳以上は当面、都道府県単位で財政運営し、環境が整った段階で都道府県単位の国保を全年齢に拡大する。

●国・地方の財政責任盛り込む

 中間取りまとめで、公費負担については「新たな制度においても、引き続き、国と地方がそれぞれの役割に応じて財政上の責任を十分に果たしていくことが重要」と国や地方の財政責任に関する文言を新たに盛り込んだ上で、「効果的な投入を図りつつ、充実させていくことが必要」とした。

●「運営主体」と市町村の共同運営

 都道府県単位の「運営主体」については「都道府県が担うべきとする意見が多数であった」としながらも、慎重意見にも配慮して引き続き検討する。「運営主体」は均等割、および所得割の標準保険料率を定めて市町村ごとに納付すべき額を決定。市町村が高齢者の保険料賦課・徴収、資格管理などを担う「共同運営」の仕組みを導入する。

●中間取りまとめ後も課題山積

 この日の会議で厚労省は、中間取りまとめ後に議論すべき課題について14項目に整理した。「運営主体」を都道府県とするかどうかや、国保と被用者保険の間での財政調整の仕組み、被用者保険者間の負担の案分方法などを挙げており、9月以降に会議で順次着手する。公費の投入方法や70−74歳の窓口負担割合なども踏まえた上で、財政影響に関する試算を秋に示し、年末までに最終取りまとめをする。(8/23MEDIFAXより)

ページの先頭へ