都道府県単位で保険者再編を/自民部会で慶応大・池上氏  PDF

都道府県単位で保険者再編を/自民部会で慶応大・池上氏

 自民党の厚生労働部会(加藤勝信部会長)は3月10日、医療制度改革の方向性について慶応大の池上直己教授から意見を聞いた。池上教授は75歳で加入年齢を区切った後期高齢者医療制度を批判。保険者間で調整金を拠出し合うリスク構造調整を導入した都道府県単位の保険を提案した。

 部会で西島英利参院議員は「(後期高齢者医療制度は)保険というより、75歳以上の人は保障という考え方で成立したのではないか。75歳以上の入院が増えていくので、増えた分は消費税を導入し、公費負担割合を増やしていかざるを得ないのではないか」と述べ、医療制度を存続させるには消費増税は避けられないとの考えを示した。

 これに対し池上教授は「誕生日を境に保険から保障に変わるというのは生身の人間としてどうなのか。日本人を“後期高齢者日本人”と“非後期高齢者日本人”に2分した制度で、75歳の誕生日と同時にそちらに移管する制度をつくったことに対して反発した」と述べ、年齢で区切ること自体に問題があったと指摘。「75歳の誕生日を境に医療費が急に増えるわけではない。徐々に増える。リスク構造調整をすれば、高齢者(ばかり)が医療費を使って困るということが見えなくなる」と述べ、都道府県単位で運営する保険者再編に向けた工程表を作成すべきと主張した。

 このほか池上教授は、医療圏の見直しを含めた医療計画の在り方の抜本改革と、医師養成方式の再考を訴えた。(3/11MEDIFAXより)

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