適応外使用、804事例を検討/支払基金
厚生労働省は4月20日の中医協総会で、社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供検討委員会で検討している医薬品の適応外使用の状況について説明した。2010年秋以降、学会から要望があがった事例が804例あったことを明らかにした。
医薬品の適応外使用を例外的に認めるいわゆる「昭和55年通知」に基づき、検討委で「専門的見地から広く適応外使用が認められている」と認められた場合は、審査情報として公表している。
804事例のうち203例は、再審査期間の未終了や国内未承認など、55年通知の対象とならないとして除外。重複事例を整理した563例について、審査情報として公表するかどうかを検討していると説明した。
一方、2009年に検討対象となったのは826例だったことも明らかにした。このうち218例は55年通知の対象から除外され、575例については「対象とはなるが審査情報として提供するのは妥当でない」と判断された。33例は審査情報として公表されている。
診療側委員は09年に公表されなかった事例についても「公表すべき」と主張。一方、支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「われわれも審査の支部間格差解消は訴えているが、医師によって治療法に関する見解が異なる場合もある」として慎重な対応を求めた。
また、診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、国保連の対応に関して「都道府県レベルまで情報が伝わっていないようだ」と訴え、都道府県国保連にも国保中央会から情報の伝達を徹底するよう求めた。(4/21MEDIFAXより)