返還額は2億1000万円増の55億5000万円/07年度指導・監査状況
厚生労働省保険局は12月19日、保険医療機関などに対する指導・監査の2007年度実施状況を発表した。07年度に診療報酬・調剤報酬の返還を求めた額は55億5000万円で、前年度から2億1000万円増加した。返還額が増加した理由について医療指導監査室では、前年度と比べて保険医療機関などの取り消し件数が増加したためとしている。
保険医療機関などの指定取り消しは前年度から16件増加し、52件に上った。うち医科が21件、歯科が27件、薬局が4件となっている。前年度と同様、医科や薬局に比べて歯科の取り消しが多い。不正内容は、架空請求や付け増し請求、振り替え請求、二重請求がほとんどを占める。そのほか、正当な理由がないまま監査を拒否したり、施設基準を満たすため名義借りを行っていた事例など、悪質な不正も見られたという。
取り消しのきっかけは、保険者や医療機関従事者などに加え、医療費通知に基づく被保険者からの通報によるものが37件で、全体の半数以上を占めた。
前年度と比べ大規模な不正請求事例は減少した。過去3年間で実施状況公表時の返還額が2億円超のケースは、05年度4件、06年度1件、07年度0件と減少傾向にある。
返還額55億5000万円の内訳は、指導による返還分が23億6000万円で、監査による返還が31億円9000万円となっている。
監査について医科の実施状況を見ると、保険医療機関など59件、保険医など176人。個別指導は保険医療機関など1153件、保険医など2033人。新規指定個別指導は保険医療機関などが2183件、保険医などが2431人。集団的個別指導は4537件だった。(12/22MEDIFAXより)