質向上と標準化へ議論開始/ケアマネあり方検討会初会合
厚生労働省は3月28日、「介護支援専門員(ケアマネ
ジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会(座長=田中滋・慶応大大学院教授)」の初会合を開き、ケアマネジャーの質向上や、利用者の自立支援のためのケアプランを作成するプロセス標準化などについて議論を開始した。
会合で厚生労働省は、ケアマネジャーの現状と課題として▽制度的位置付け▽機能的位置付け▽資格要件▽研修体系―の4点に分けた資料を示し、自由な議論を求めた。構成員からは▽ケアマネジャー個々の力量のバラつきを解消するために研修体系を整備▽保険者によるケアマネジャー支援、ケアプランチェックの標準化▽多職種が利用者のアセスメント情報などを持ち寄るケア会議を実施するためのモデル構築▽ケアマネジメントの成果やケアマネジャーの能力を評価する方法を確立▽2025年のケアマネジャー必要数の試算▽主治医との連携強化―などの意見が上がった。
さまざまな視点で検証する際のポイントとして「今後のケアマネジャーを養成するコースと、現任者の質向上に向けた具体策と分けて考えたい」(木村隆次構成員・日本介護支援専門員協会長)、「(ケアマネジャー資格保有者が)54万人もいれば(質の高い人から低い人まで)“ピンキリ”で、今後は“キリ”の方をどうするかだと思う」(筒井孝子構成員・国立保健医療科学院統括研究官)、「能力の高い人がどのように養成されたかも分析すべき」(藤井賢一郎構成員・日本社会事業大専門職大学院准教授)などの指摘もあった。
●ケアマネと主治医の連携強化に問題意識
会合では、ケアマネジャーと主治医の連携強化として、双方の業務を理解するための仕組みづくりとともに、主治医の在り方を併せて見直す必要性を指摘する意見もあった。
山田和彦構成員(全国老人保健施設協会長)は、医師と医師が連携する場合でも相互の業務に対する理解は不可欠と指摘し「医師だけの問題ではないが、(医師の業務内容などを理解し)医師と連携するために(研修などで)どうすればいいのかなども一緒に考えていただきたい」と述べた。池端幸彦構成員(日本慢性期医療協会常任理事)の代理で出席した日慢協の武久洋三会長は「介護保険の場は、99%が慢性期医療の現場だと思っており、慢性期医療科とか、在宅療養科とか、そういう診療科目の先生が介護保険に関わるべき」と述べ、主治医の意見書を書く人をある程度限定すべきとの考えを示した。(3/30MEDIFAXより)