貢献加算「顔の見える関係」評価/佐藤医療課長
厚生労働省保険局医療課の佐藤敏信課長は3月11日、2010年度診療報酬改定で導入された「地域医療貢献加算」(再診料に加算、3点)について、「医師と患者の顔の見える関係が重要」と述べ、患者にとって身近な診療所の機能を評価することに主眼を置いているとの認識を示した。
どの程度の診療所が算定できるかについては「容易に算定できる診療所もあれば、算定したくないというところも出てくるだろう」と述べ、医師の診療形態に合わせて算定するかどうかを選択すればよいのではないかとした。
佐藤課長は「現在の休日・夜間輪番制だけでは患者・国民のニーズを満たせていないと思う。そうした中で、医師と患者の間の顔の見える関係を評価することが目的」とし、地域医療での安心感を評価することが加算創設の趣旨だと述べた。
通知の中では複数診療所による対応も可能としているが、「原則は1人の医師が対応することが望ましい」とした上で、「学会出席などで遠出する場合まで必ず電話対応しなければならないということではなく、患者も納得する範囲で連携することは可能だということだろう」と説明した。
病院と診療所の点数が69点で統一された再診料をめぐる議論が、ほかの外来関連診療報酬項目が固まった後に回されたことについては、「限られた財源で重視すべき外来項目の議論を優先すべきだという意見が中医協であり、順番が変わった」と説明。事務局による誘導ではないとした。点数の統一については「政治主導で改定率が決定した際、再診料の見直しも明示的に言及されていた。その内容に着実に従うという部分もあったと思う」と述べた。
10年度改定は、急性期から亜急性期、慢性期までの流れを円滑にすることに主眼を置いたとし、12年度の診療報酬・介護報酬同時改定では「慢性期以降の流れをどのように確保するかが重要になる」として、介護療養病床の扱いやリハビリテーションの評価がポイントになるとの見通しを示した。
10年度改定で評価された有床診療所については「役割の議論はまだ十分でない」とし、12年度改定に向けた課題の1つに挙げた。さらに、10年度改定では導入が見送られた病院の部門別収支に基づく評価も課題とした。(3/12MEDIFAXより)