財務省に2200億円削減撤回を要請/保団連
保団連・住江憲勇会長は、12月4日、財務省に要請行動を行った。財務省からは主計局主査で厚生労働担当の八幡道典氏ら3人が応対。住江会長から、社会保障分野に財源投入することは、国民の将来不安軽減、雇用確保、景気回復のためにも必要な施策であるとする「社会保障費2200億円削減の撤回・介護改善の緊急施策を求める要請書」を手渡した。
住江会長は、国の医療費負担を増し、患者負担を減らすことは経済危機の対策としても重要だと指摘。中小の医療機関の経営に打撃となっている外来管理加算の時間要件の撤回、歯科では2006年度の異常な改定によって被った医療費のマイナスと、受診抑制解消のための措置を緊急にとることを要請した。
これに対し八幡主査は、自身が厚労省へ出向し、診療報酬改定作業にもかかわった経験から、要請の主旨は充分理解しているとしながらも、財務省としては診療報酬上の個々の内容についてはコメントを差し控えたいとし、社会保障費の2200億円削減路線は、前日の閣議で「維持」が了承されたことから、年末の予算編成はこの方針にのっとって行い、緊急に対応が必要な項目については特別枠を設けるとした。
また、財務省主査が「社会保障は国民生活の基盤であるとのご指摘は理解しているが、給付だけでなく負担の議論も同時にしなければならない」と述べたのに対し、住江会長は「負担負担と言うが、それに対して給付が小さすぎるのが問題だ」と迫り、主査が返答に窮する一幕も。結局、「基本方針(骨太の方針) は維持する」「概算要求基準(シーリング)設定の時から社会保障費抑制は決まっている」という主旨の発言を繰り返すにとどまり、社会保障分野の緊急策への言及はなかった。