負担の議論「与野党で討議を」/安心社会実現会議が報告書  PDF

負担の議論「与野党で討議を」/安心社会実現会議が報告書

 政府の「安心社会実現会議」(座長=成田豊・電通最高顧問)は6月15日、報告書を取りまとめた。安心社会実現に必要となる財源については「消費税を含む税制改革への行程を示すことが必要」と指摘。これに向けた議論には「与野党が党派を超え『安心給付と負担の在り方』をめぐる基本原則について討議と合意形成を進めるべき」とし、与野党による「円卓会議」の設置を検討する必要性を盛り込んだ。

 報告書では、社会保障国民会議が2008年にまとめた報告書の実現に向け、工程表に基づく諸改革の着実な実行を訴えるとともに、11年度までに取り組むべき「緊急施策」として「社会保障番号・社会保障カードの導入」「コミュニティーにおける医療・介護連携の推進と、それに連動した独居高齢者に対する住宅保障」など10項目を列挙した。10年代半ばまでに達成すべきこととして「社会保障勘定」の創設や、消費税の社会保障目的税化の検討などを挙げた。また、複雑な社会保障制度への信頼を高めるには制度を分かりやすく示す必要性があるとも指摘し、ライフサイクルに合わせて受けられる具体的な給付やサービスを示す「社会保障ハンドブック」の配布も盛り込んだ。

 従来の社会保障給付の在り方については、年金、医療、介護など「高齢世代への支援が中心だった」とし、「これまでの仕組みをそのまま維持することは困難。高齢世代の安心を支えるためにも、現役世代・次世代を対象とした給付の比重を拡大していく必要がある」と指摘。「緊急施策」にも、子育て支援や教育改革、非正規雇用の処遇格差是正など、雇用や教育、少子化対策を念頭に置いた課題が多く盛り込まれている。(6/16MEDIFAXより)

ページの先頭へ